第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ レビュー
「無冠の帝王」、「律儀先生」、「駒得は裏切らない」、「森下システム」こと森下九段と第二回電王戦でもおなじみ「103」、「妖精」こと一丸氏が手掛けるツツカナの一戦
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第4局は小田原城という謎チョイス。また解説は、ニコ生で大人気「てんてー」こと藤井猛 九段、現役A級をきめた行方尚史 八段。聞き手は山口恵梨子 女流初段という豪華さ。山口女流のツッコミに期待。
以下敬称略
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【対局前】
小田原城からの中継は第1、2局に続き藤田女流。コメントには画伯の文字が。
藤田「現地小田原城、たくさんの観光客で賑わっています」
山口「あまり観光客いませんね」
森下九段は和服姿で登場。一丸さんは去年に続き正座で一日がんばるよう。
「今日は森下さん(駒を)並べるの早いですね」「普段並べる際は、相手と呼吸を合わせてきますね」「今日は(呼吸を)合わせない人が後できますね」
駒を並べる電王手くんを初めて見る藤井先生。
藤井「一家に一台電脳手君」「羽生さんに寄付ししてもらいましょう」
【対局開始】
「森下さんのお辞儀が浅い」「(センサーに引っかからないように)コンピュータにも気を使ってますね」藤井「森下VS行方戦ならば矢倉ですね」行方「寝てても矢倉ですね」
先手ツツカナ。初手の電王手くんの動きに興奮する解説陣「おぉぉぉおおおおーー」
二手目で矢倉模様に
解説両者「ぉおぉおおお矢倉」
行方「見たかった矢倉。コンピュータも空気読むんですね」
行方「私の仕入れた情報(野月先生情報)によると、がっぷり4つは厳しい」「矢倉は将棋2大戦法の一つです」
山口「もう一つは何ですか?」「藤井システムですか?」
藤井「10位以内にも入らないですよ」
ツツカナの早い16歩に興奮する解説者聞き手の3人「加藤流だ!加藤流だ!」「今日は(加藤先生が)大興奮ですね。うひょーがでてきますね」「生うひょーですね」先生方カワイイです。
藤井「点で読むのがコンピュータですね。まるで行方先生」
行方「昔よく怒られました。一貫性がなくて」
山口「首相の振り駒見られましたか?」
藤井「見てはいないですけど(中略)さすが首相です」(プロ棋士側が先手3局)
第4局PVを見て
「ブランコでコーヒー飲んでましたね。黄昏てましたね。中間管理職みたい」
「コンピュータは感情が無くてうらやましい。人間には勝っていると油断、負けていると焦りがある。そこがPCの強いところ」
藤井「森下先生は朝5時に起きて水をかぶるり朝7時に棋譜な並べ朝8時に寝る行方先生とはおお違いですね」
森下九段は手に絶対揺るがないと書いているそうです。精神力の人ですね。小田原城ではおでんサミット2014が開催。藤井先生の地元群馬のおでんはなかった。以後中継でやたらとおでんネタが。中継では立会人塚田九段が登場。塚田先生は、森下九段にソフトには、受けに回ったほうがよいとアドバイスしたそうです。
藤井「序盤だけで将棋は終わらない、ゴルフのOKみたいに序盤だけで勝敗を決めればもっと私は勝てる」
藤井ファンによる統計において藤井先生の逆転負けは少ないそう。
コンピュータの強いところは、盤面全体を見ることができることが強み。人間はそこまで鮮明に見えていない。藤井先生が盤面の3×3をみてそのエリアを動かしている、というたとえ。山口「ポケモンのフラッシュですね」ポケモンは任天堂だけど大丈夫なんですかね・・・
対局者の昼食アンケートの際
山口「うなぎ屋さんとして昼食どうですか?」
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【昼食休憩明け】
昼食明けは森下九段から
46歩打と受けに回る手。それに対してツツカナはじっと26歩。行方八段ならスピーディに17桂と跳んでみたいとのこと。この端の桂馬は森下九段が得意の形。別名、森下桂。
現地から藤田女流と高見泰地四段が登場。高見四段は電王手くんが止まった時に代わりに指すようです。さすが藤田画伯。藤田女流はまた画伯っぷりを披露していました。でも意外とうまいかも・・・?
本のプレゼント企画。当選はユーザーネーム104さん。一丸さん(103)にかけたセンスあるユーザー名ですね
プリクラ写真
4:19森下先生が離席された時にお茶を飲む一丸さん。気遣いの人ですね。
加藤123九段登場
次回の電王戦でませんかと聞かれ、先手番なら勝てること。
矢倉の37銀戦法であればどのソフトがきても勝てる。角換わりではほとんど勝ったことがないので、勝ち目はありません。今日のツツカナさんとやってみたい。さんづけすす加藤先生。加藤先生の独壇場でした。
【夕方休憩後】
夕食後の現地中継では第五局を戦う屋敷九段が登場。ようやくおでんが登場しない中継
形勢は森下九段が若干いいのでは。駒得の森下九段の持ち駒が少ないの気になるとのこと。ツツカナは1森下⁼歩が5枚と駒得
藤井九段「もし電王戦出場するなら一年間休場してコンピュータ対策委員会」
検討室から佐藤康光九段の登場。バランスがとれていて驚いている。ツツカナが若干優勢か
伊藤 真吾五段は午後2時ごろに検討室につく予定が、午後5時に到着。新幹線で小田原を通り過ぎ、名古屋まで行くという。きしめんを食べて折り返してきたよう。
解説「ツツカナ手厚い将棋。まるで森下先生ののような将棋。森下先生は鏡と戦っているような感じ。」
(もしプロ棋士の棋風が入ったソフトが出たら)
藤井「私の棋風のソフトが現れたら最後まであきらめない」
将棋に運はありますかというメール。最善手ではなく、疑問手が相手を悩ませる勝負に関してはある。そういう意味では運はある。将棋の技術に関してはない。
行方先生詰将棋選手権45位。そしてなぜか46位と暴露される久保先生。A級とはいったい何なのか。
藤井「電王手君の駒台を大きいですね。森下先生用ですね。余裕で歩が10枚乗りますね」
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【終局直前】
お手洗いに行く森下九段。厳しい顔の森下九段。
121手目先手ツツカナ▲54角でBonanzaの評価値9999に。しかししばらくして評価値先手266に。ソフトでも見逃しがあるということか。その後2度目の評価値9999。
それでも最後まで指し続ける森下九段。森下九段の駒はほとんどない。詰みが見えたのか、Bonanzaの評価値も消える。そして135手で森下九段投了。
最後は電王手くんのあいさつ。それに森下九段の表情も少し和らぐ。
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【終局後囲み取材】
森下九段
ツツカナとの練習対局での印象は、粘ってくるので勝つのが難しい。敗戦については、勝ちはあったと思うがしょうがない。チームには申し訳ない。コンピュータとの対局において読みで戦うのは厳しい。
一丸さん
お互いの指し手がきれいでさわやかな気持ちになった。勝ったことに関しては何とも言えない。評価値は何となくよくなっていった。しいて言えば、78手目の58歩で評価値上がった。森下九段の印象は、正統派。印象通りの指しまわしだった。今後参考にしたい。
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本局はツツカナの勝利となりました。がっぷり四つの矢倉戦。昼までは森下九段のほうが若干優勢だったかもという感じ。しかし夕食休憩前に一手森下九段に疑問手があったかも、とのことでした。
囲み取材後、記者が去った後も腕組みして明るく感想を述べる森下九段が印象的でした。記者会見になかなか向かわないのか、あるいは向かえないのか。対局中のいろいろな気持ち、ため込んだ思考を逃がしているのでしょうか。心の整理をしているのかも。10時間の対局というのは、我々の想像を超えるものなのでしょう。
今年は人間側も振り飛車にしたり矢倉にしたりでいろいろ工夫しているのが見えましたね。しかし森下九段は本格的な練習対局が先週からしかできなかったようです(ここら辺あいまいな表現でわからなかったです)人間側は1000局練習すれば必ず勝てると言う訳ではないですが、棋士にも他棋戦もありますし、人生がかかっていますからね。練習時間の確保は、もし次回あればここは大きな問題なりますね。
ニコファーレでの解説では、終始山口女流の攻めが決まっていましたね。藤井行方解説も面白かったです。この二人の相性は良かったですね。来場者数は51万人越え。注目の高さがわかります。これで人間側の負け越しが決定。最終戦は、屋敷九段対Ponanza。人間側の意地を見たいところですね。